【ヒト図鑑】No.7 白鬚ちび獅子「髙島 知希くん」
3歳で獅子舞に恋に落ちた「獅子舞王子」
多度津町内は約25組ほどの獅子組が活動している。
そんな多度津の獅子舞に魅了された一人の男の子。
出会いは3歳の時。その日から彼の獅子舞人生がスタートした。
始まりは突然やってきた。
3歳の秋。なんとなく見に行った熊手八幡宮の秋祭り。その日を境に、知希くんの獅子舞人生は静かに、そして確実に動きはじめた。
その時に見た白鬚神社獅子組の獅子舞が知希くんの脳裏から離れなかったのだろうか、家にあった小さな獅子頭を手に、ユーチューブで獅子舞の動画を繰り返し視聴する日々が始まった。毎日、毎日、飽きることなく獅子舞の真似を続け、気づけば一年間ずっと自主練習の日々となったのだ。ご両親も驚くほどの集中力を見せ、あっという間に獅子舞の芸を完全に自分のものとして習得したのだった。
白鬚神社は元々自身の地元だったので、知希くんの噂は、獅子組に知られることに。そして4歳になると、白鬚神社獅子組の練習を実際に見学させてもらえるようになった。
小学生が太鼓を叩く練習をする横で、知希くんは大人に混ざり、本格的に獅子の動きを学びはじめた。
本物の獅子に触れ、舞い方を体で覚えるうちに腕前はどんどん上達。
この時すでに、大人たちも驚くほどの完成度で獅子舞を披露できるようになっていた。





獅子舞に対する一直線な想い
警察官、消防士、昆虫など、一時的にハマるものはあったが、
「秋になると必ず獅子に戻る」。
友達がアニメや戦隊ヒーローを好きになるように、知希くんにとって「獅子舞」は心を奪われる存在になったのだ。その評判はさらに広がり、「知希くんの獅子舞を見たい」という声は地域外からも届く。
近所のお年寄りからは手作りの油単(ゆたん )をプレゼントされたり、白方公民館の催しに呼ばれ、一人で大勢の前に立ち演舞を披露することも経験した。
また、白鬚神社獅子組が出演するイベントには、必ず自前の獅子頭を持って「追っかけ」のように足を運び、昨年はついに舞台上での共演も実現した。。
家族みんなで全力で楽しむ!
知希くんの活動をサポートする母・真美さんに「各地のイベントに連れて行くのは大変じゃないですか?」と聞くと笑って首を振る。
「他の子がサッカーや野球で頑張るのを応援するのと同じなんです。
そもそも私は三豊市出身で昔から祭りが大好き。だから、むしろ一緒に楽しませてもらってます」
と予想外の返答が返ってきた。母の悩みは、知希くんのサポートで自分の地元の祭りに参加できないことだそうだ。その他にもインスタグラムを開設したり「獅子舞王子」の活動を、家族もまた全力で楽しんでいるようだ。
獅子舞を未来へつなぐ希望に
知希くんの優れた観察力・探究心はさらに向上しており、最近では、獅子舞を見て、中の遣い手が誰かわかるという。獅子舞は同じ芸をしていても、その遣い手によって、微妙なクセや表現方法に違いがある。6歳にして、それを見極めることができる。まさに大人顔負けの獅子舞王子がさらなる成長を遂げている。
「拓実くん(26歳)と大和くん(20歳)のコンビが好き。大きくなったら二人みたいに大きな舞台で演舞してみたい」
知希くんが、はにかみながら語る夢は、きっとそう遠くない未来に叶うにちがいない。
白鬚神社獅子組からの期待も大きく、頭の廣瀬悠羽さんは、
「最も大事なのは、獅子舞を未来へ伝えること。興味を持ってくれたことに感謝しつつ、未来の獅子組を担う人材になってくれれば幸いです」と語る。
地域の伝統文化を未来へつなぐ希望の光。知希くんの小さな背中に、そんな大きな期待が静かに寄せられているようだ。



| 【編集部のつぶやき】 来年は小学生になり、太鼓打になるので、獅子舞は一旦お休みになる知希くん。しかし、三つ子の魂百まで、知希くんの体には獅子舞が染みついているので、大きくなった時に、必ず役にたつはずだと思った。 |





