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【ヒト図鑑】No.2 上海軒「平井さん御一家」

たどつヒト図鑑の第二弾は、老舗ラーメン屋さんを営んでいる平井さん御一家。
創業者から受け継いだ、唯一無二で独創的な味を、今も忠実に守り続けている。これは、老舗であるが故の苦悩と宿命の物語である。

—-上海軒を始められたきっかけを教えていただけますか?

【父】
平成6年、私たちは3代目としてお店を継ぐことになり、まずはお店の味を習得する修行が始まった。私は全く料理もできないド素人だったから、逆にそれが良かったのかもしれない。自分のこだわりもないし、アレンジも加えるもできなかったからこそ、忠実に味を再現することができたんだとと思う。ただ真似をするだけだったから。

—-お店を営んでいく上で、大事にしていることやこだわりはありますか?

【母】
お店を引き継いでから、味が変わったと言われ、正直悩んだりした時期もありました。
それでも、味を守ること、そして人様に出すものなので心を込めて丁寧に作るということに命をかけて、ここまでやってきました。

【娘】
麺も粉から作る自家製麺。季節によって気温も湿度も変わるので、一定の食感を出すのが本当に難しいんです。まさに生き物。
スープも独特な優しさが特徴で二日酔いの人にも評判が良いんですよ。人気メニューはご存知の方も多いと思いますが「両方」ですね。

—-お店を引き継いでから、心に残った思い出はありますか?

【母】
本当に長い間お客様に愛されてきたことに対する感謝しかないです。東京から出張に来た際にわざわざ食べに来てくれたり、本当に嬉しい思い出ばかり。今は娘が4代目とし頑張っていますが、常に感謝の気持ちを忘れずに、必死に味を守っていく毎日を過ごしています。

【娘】
今の味をここはこうしたいなって思っても変えられない、変えちゃダメだって思っています。だから味を変えるのではなく、「冷やし中華」や「ぶっっかけラーメン」といった新しいメニューの提供でお客様に楽しんでもらおうと努力しています。

—-未来へ向けて一言ください!

【娘】
本あと12年で100周年を迎えるので、その時まで店と味を守るのが目標です。受け継いだ通りの味を守り続け、昔からのお客様だけでなく、次の世代にも愛されるように、記憶に残るラーメンと真心を提供していきたい。最近では、時代の流れに応じたあり方を模索する中で、キッチンカーでの出店など、新しいお客様に向けても意欲的に動いてます。でも、やっぱりお店を優先したい。せっかく食べにきてくれた時に店が閉まっていては申し訳ないから。あくまでもここが私たちの場所なんだと言う認識は忘れないようにしたいですね。

【編集部のつぶやき】
多度津で生まれ育った私は上海軒のラーメンで育った。これがラーメンだと思って上京してドロドロとした濃ゆいスープのラーメンが出てきた時にはびっくりした。逆に東京から友人が遊びに来た時は上海軒のラーメンと焼飯の両方を食べてもらう。これが多度津のソウルフードだよ!と教えてあげるのが楽しみである。

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